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「里むすめの旨さは、情熱から。」里むすめ生産者 販売委員長・生産者部会部会長 辻 秀樹様

「里むすめの旨さは、情熱から。」里むすめ生産者 販売委員長・生産者部会部会長 辻 秀樹様

生産者プロフィール ※インタビュー時の肩書き

  • 販売委員長・生産者部会部会長:辻 秀樹様
  • 圃場面積:さつまいも 9ha/大根 11ha
  • 就農年数:27年(平成9年~)

農作業を学ぶ中で見えた農業の可能性

本日はお時間いただきありがとうございます。辻さんのお話を伺いながら「里むすめ」の魅力に迫っていければと考えています。さっそくですが、辻さんがさつまいも農家として就農されたきっかけを教えてください!

私は大阪出身で、18歳〜24歳まで公益財団法人で働いていました。職場の研修で農作業を経験し、そこで農業に興味を持ちはじめました。
様々な地域の農家と繋がりができ、自然農について勉強する中で、無肥料と無農薬、資材なしで突き詰めていったらすごいことができるのではないかと、可能性を感じました。それから、農業と経営についても学び、独り立ちして農園経営をはじめることにしました。

現在では、さつまいも9ha、大根11haで栽培しています。


育て方で変わる、さつまいもの旨さ

ありがとうございます。研修で農業に触れ、そこから興味を持たれたとのことですが、就農されてからさつまいもを育てていく中で、大変だったことはなんですか?

今では広い畑を持っていますが、若い頃はなかなか手に入らず、調達するのが難しかったです。最初は2haの大根栽培からスタートしました。
里浦は、海水のミネラルや朝の塩霧の恩恵がある砂地で圃場の質が高いんです。だから何を育てても美味しいものができるし、ここ数年でやっと畑が手に入るようになりました。

また、お客様がずっと離れないような、飽きがこないものを作ることも、常に考えなければいけないことです。
独り立ちするまではそれほど考えてこなかったのですが、自分で実際に野菜を作っていくにあたって、こだわりを持つようになりました。このことは、「里むすめ」が愛されている理由を考えていく中で、色々と気付きがありました。

さつまいもの味は敏感で、総合して今年はあまり味が良くなかったというのは、後から分かります。そこで1年を振り返って育て方を大きく変えたとき、次の年にすごく違いが出るのには感動しました。

消費者に愛され続ける産地を目指して

ありがとうございます。たくさんの苦労があった中で、辻さんが考えるこれからのさつまいも作りの課題とはなんですか?

大規模化にしていくにあたって、こだわろうとする活動をやりきれないところが課題です。
農業は人手不足に長年悩まされていますが、どうしても農業ってしんどい・暑い・汚いというイメージを持たれがちですよね。
でも、最近では若い人の中にも農業に対してポジティブな印象を受ける方が増えてきています。農業を魅力的な仕事の一つとして捉えてもらえるよう、イキイキと仕事をして、次の世代を増やしていきたいです。

また、産地を永続的に続けていくためにも、野菜に付加価値を付ける必要があります。
より良いものを作り、少しでも高値で売れるようにしていくことが私たちの仕事です。
農協の方はたくさんの野菜を市場に届けて、産地の知名度向上に尽力してくださいます。これからもお互いに連携し合って、消費者に求められる産地として良いものを出し続けます。

生産者のこだわりと情熱が生む、里むすめならでは旨さ

ありがとうございます。里浦は、日本でも有数のさつまいも産地ですが、消費者には「里むすめ」のどんなところに注目してほしいですか?

里むすめは、ただ甘いだけでなく、飽きの来ない「旨み」があります。実際に食べると、作り手のこだわりが伝わるはずです。
他のどの産地にも負けたくない、常にトップなんだという熱意を持って日々努力し、実践し続けています。
消費者の皆さんには、ぜひ私たち生産者の情熱がこもった、里むすめならではの美味しさを感じて頂きたいです。

さつまいも作りとは、「生業」である

ありがとうございます。最後に、辻さんにとって「さつまいも作り」とはなんでしょうか?

私にとってさつまいも作りとは、「生業(なりわい)」です。さつまいも作りを通して、色んなことを勉強させてもらって、人として大きくしてもらいました。

はじめのうちは、大変なことや理不尽なことも多く苦労しましたが、一歩一歩、難しいところに首を突っ込んでいくうちに、案外見えないところまで見えていくようになり、仕事をするのが面白いと感じるようになりました。
今では、農業は私にとって一番大事なものになってきました。これからも、産地としてのこだわりと熱意を持ってさつまいもを作り続けます。